2008年10月03日

妻買い 〜ツマガイ〜

日清戦争が第三国の仲介によって講和を結んでから二年後の明治三十年。戦争特需で財を築き、成り上がった久世征次は、十三年前に使用人として働いていた華族・中御門家を買った。当時の主・惟敦は事故で急逝し、中御門家で残っているのは、その一人娘・朔夜だけだった。征次は、朔夜を自分の妻として、中御門家に婿入りした。しかし、征次にとって、朔夜も単なる自分がのし上がるための道具としか見ていなかった。はたして、この歪んだ結婚の行く末には何が待っているのか――。    無料体験版ダウンロード