贄姫 ―戦国姦落絵巻―
時は群雄相争う戦国時代、所は都をはるか西に望む蔵門(くらと)地方。そこでは新興の大名・多々良昌逸(たたらまさいつ)が急速に勢力を拡大していた。室町初期から続く名門・霧生(きりゅう)家は多々良より臣従を迫られると一戦も交えることなくこれを受諾し、当主・霧生永治(きりゅうながはる)の娘・さくや姫を側室として差し出すことになる。事実上の人質として多々良の本拠地・蔵門城に嫁いださくやは、そこで“尋常ならざるまぐわい”を好む多々良の閨の相手を務めされられる事になる。清楚な肉体と精神を蹂躙され、己の中に眠っていた“淫の本性”を揺さぶられながらも、父や城の皆を想い、耐え忍ぶ日々を送るさくや。数ヵ月後、蔵門城に間者からひとつの報せが届く。「霧生永治に謀反の動きあり」と。だが、多々良に動揺はなかった。霧生側の降伏が戦力を整えるまでの時間稼ぎの方便である事を、はなから見抜いていたからである。「姫を呼べ。問い質してやろう」加虐の悦楽に歪んだ笑みを浮かべながら、多々良昌逸は配下にそう命じた…。 無料体験版ダウンロード