2012年03月23日

巫女みこナース

極楽病院。この病院は、高齢者医療に力を注ぐ最先端の私立病院である。その性質上、救急患者の受け入れは多くなく、閑静なたたずまいを周囲に振りまいていた。だが。この病院はかつてない動乱に巻き込まれようとしていた!(ばばーん)創始者・月夜野誠史が近々引退する旨を発表、次期院長の座を巡ってふたりの副院長が名乗りを上げたのである。一人は、天才外科医として名をはせた現院長の実子にして長男である、月夜野将春。そして今ひとりは、内科医としては日本屈指の実力を持つ現院長の次男、月夜野孝司。さて、ここからが本題。上記のふたりは時を同じくして、病院施設としては画期的な提案をぶちあげる。すなわち、巫女ナース、およびシスターナース、両部門の設立である!(ずどーん)ようするに、看護婦さんにそれぞれの衣装をもした制服を着せようと言うただそれだけの部門である。現在は試験的に導入し、患者、医師、看護婦らの反応を見ている段階であるが、将来的には本格的な導入を検討中。ただ、予算等の諸事情により、導入されるのはどちらか片方のみ、人気の高い方を採用するという。そのような事情が、前述の来るべき院挑戦と相まって、ますます病院中を混乱の渦に巻き込んでいくのであった。そんな中、ひとりの男が研修医としてこの病院に赴任する。牧嶋達哉、当年とって26歳。医師としてはまだまだ半人前の彼が、極楽病院の将来を左右する人物であることを、今はまだ誰も知る者はいなかった……    無料体験版ダウンロード